Tag Archives: 食育

微生物は不思議な生き物?! 「11.アミノ酸発酵菌」

28 2月

微生物とは不思議な生き物バナー アミノ酸発酵菌
 上野で動物の糞の混じった土壌から1957年,木下・鵜高らによって糖質培地でL-グルタミン酸を生産する菌、コリネバクテリウム・グルタミカが分離されました。この頃から微生物の菌体内で一種の異常代謝(生体制御発酵)を起こさせアミノ酸を生産するアミノ酸発酵法が急速に発展し、世界に誇る発酵技術となりました。この方法はやすい原料(廃糖蜜)で大量のアミノ酸を製造できるので食品工業(グルタミン酸等)だけでなく飼料用(リジン、バリン等)や医薬品用(アスパラギン酸等)として大量にアミノ酸が生産出来ます。
 うま味といえば日本の食文化として誇るべきものですが昆布からもとれるグルタミン酸だけが旨み物質ではありません。
 最近「舌にうまみを感じるセンサー」があることが報告され話題となりました。これまでもうま味を感じるところが舌にあると強く主張していた日本ですから、アミノ酸ではないイノシン酸やグアニル酸も当然といえば当然ですがうま味物質として世界に先駆け発酵生産させていました。イノシン酸はバチルス・サチルス(納豆菌と同じ種)の生産したイノシンをモルガネラ・モルガニイ菌が作る酵素を作用させイノシン酸への変換させる方法で作られています。

著者紹介

  惣田昱夫

1945年生まれ、1969年静岡大学農学部卒、1970年から2003年まで神奈川県庁(肥飼料検査所、衛生研究所、環境科学センター)勤務、2004年から2010年まで静岡理工科大学物質生命科学科(教授)勤務、2011年から(株)ぴゅあ、技術顧問、2012年(11月)からNPO法人 未来アース理事長、専門 環境微生物、環境(廃棄物等)工学、エネルギー微生物、農学博士

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湘南の豚『湘南ぴゅあポーク』は「中ヨークシャー」という神奈川の在来種の豚です。

NonGMO飼料で育て、生産から販売までを一貫生産しています。

詳しくは「自然との共生 湘南ぴゅあ」ホームページはこちら>> http://pureham.com/

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「私たちは何を食べたらよいか」7

2 12月

河原ブログバナー

河原バナー図

※デザイン;食品生産力研究所

「私たちは何を食べたらよいか」7

日本の食糧自給率は先進国の中で最も低いといわれます。それでは今晩のすき焼きを輸入牛をやめ奮発して国産牛にしたら日本の自給率向上に貢献できるでしょうか。答えはNOです。よく言われる自給率はオリジナルカロリーベースと言って国産牛でも飼料が輸入であれば国産とはみなされません。また、野菜はカボチャなどを除いてカロリーが低くこの自給率には大きな影響を与えません。

主食として日本の気候に合ったお米の消費が減って、本来寒冷地に適したパンやパスタの原料小麦が増えたことと、肉食が増えて飼料穀類の輸入が増えたことが自給率低下の原因です。食生活を昔に戻すことはできないし自給率向上が究極の目標でもありませんが、日本の農畜水産業と日本人の食生活をマッチングさせていく必要はあると思うのです。

執筆者紹介:

河原芳和

神奈川県立保健福祉大学非常勤講師

ぴゅあハムの設立当時から関わり有り、乳酸菌を使った無塩漬ハムの研究開発を20年以上共同で行ってきた。
乳酸菌ハム研究開発における重要メンバー。

微生物は不思議な生き物?! 「10.乳酸・酢酸菌」

2 12月

微生物とは不思議な生き物 乳酸・酢酸菌
 有機酸発酵菌について書きましょう。代表的な菌は乳酸菌や酢酸菌ですが、乳酸菌については、乳酸菌を使って無添加ハムを作られた阪上室長のかかれたものもお読みください。ここでは乳酸菌の特徴と酢酸菌について書きます。
 乳酸菌は球菌と桿菌があります。また発酵により乳酸だけを作るホモ乳酸発酵と酢酸など他の物も作るヘテロ乳酸発酵があります。乳酸菌の効果として,免疫活性作用、発癌物質の排出・分解、便秘・下痢の解消、病原菌感染の予防などがあると言われています。漬け物の発酵などでも乳酸菌は活躍します。この菌類はヒト常在菌でもあり、腸内だけでなく成人女性の膣内に生息しています。この産生する乳酸によって膣内は酸性に保たれ、他の病原細菌の侵入増殖を阻害しています。
 酢酸菌は、食酢を作る働きをしています。代表はアセトバクター、アセチです。昔食酢の中にオリとして嫌われたアセトバクター・キシリナムの産生するセルロースのくずは、今では非常に細かく弾性にとむことが知られており、スピーカーの音響振動板として実用化(外内尚人、化学と生物No. 8, 2001)されています。またナタデ・ココを作るためにも使われています。
何が新しい物を生み出すかわかりませんね。皆さんもよく目を凝らしてみていると新しい発見があるかもしれませんよ。

著者紹介

  惣田昱夫

1945年生まれ、1969年静岡大学農学部卒、1970年から2003年まで神奈川県庁(肥飼料検査所、衛生研究所、環境科学センター)勤務、2004年から2010年まで静岡理工科大学物質生命科学科(教授)勤務、2011年から(株)ぴゅあ、技術顧問、2012年(11月)からNPO法人 未来アース理事長、専門 環境微生物、環境(廃棄物等)工学、エネルギー微生物、農学博士

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NonGMO飼料で育て、生産から販売までを一貫生産しています。

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乳酸菌ハム開発物語 その6 <無添加でも美味しくなければ始まらない 3>

25 10月

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6.<無添加でも美味しくなければ始まらない 2>

実は私も水産学部漁業学科とはいえ理系の端くれです。(何で水産が畜産?)理系の人間は特に研究者は「新しいこと」「誰もやっていないこと」には目が無いことぐらいは知ってました。しかし食肉加工のことをよく知っている先生の目に何が目新しく見えるのか、よくわかりません。
代表の音成さんや工場長の吉田さんから「長期間の塩漬を(当然「湘南ぴゅあ」ですから発色剤もその他の添加物も入ってませんが)することで美味しいものが出来ることがある。発酵熟成の効果に違いない。これをコントロールできれば絶対に上手いモノが出来るはずだ!!!」という話をたびたび聞かされました。また実際に塩漬の後期になると、漬け込み液が濁ってしまうモノ、酸っぱくなるモノなど様々な状況が観察される中に塩漬液が透明で、実にきれいなモノが有りました。味見をすると酸味もなくうまみの強い塩漬液です。こういう状態で塩漬された肉はハムにするととても美味しく「これなんだ、みんなが言っていたのは…」という経験もしていました。もし河原先生が話に乗ってくるとするとヤクルトのこともあるし、これかなとぼんやり考えていました。

前回の話「乳酸菌ハム開発物語 はじまり」はこちらからです。

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「私たちは何を食べたらよいか」6

11 10月

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「私たちは何を食べたらよいか」6

比較的質素ながら主食、主菜、副菜がはっきりし、戦後の食糧不足を克服しほどよく洋風化して乳や肉も食べるようになった1960年代の日本人の食生活は理想に近いと言われます。
しかし、当時は生まれていなかった人が大部分となり、農畜水産業の衰退が心配され、経済もグローバル化した現在では当時と食をめぐる環境が異なっています。
私は、食生活を昔に戻すというよりも、現状から出発して2つの面からこれから「私たちは何を食べるべきか」を考えたいと思います。

1つは日本の風土の中で生産される食糧を供給する農畜水産、流通、外食などのフードシステムを元気にして、価格競争だけでなく美味しさや健康貢献を競う品質競争を盛んにすることです。

2つめは子供たちや若者に豊かな食体験をさせ食物を選ぶ能力を高める「食育」を学校や家庭で進め、日本の風土に見合う食文化を伝承することです。

 

執筆者紹介:

河原芳和

神奈川県立保健福祉大学非常勤講師

ぴゅあハムの設立当時から関わり有り、乳酸菌を使った無塩漬ハムの研究開発を20年以上共同で行ってきた。
乳酸菌ハム研究開発における重要メンバー。

微生物は不思議な生き物?! 「9.酵母菌」

26 9月

ソウダ先生9回目
9 酵母菌

  酵母といえばお酒ですね。
でもパン酵母もよく知られています。
お茶畑にも酵母は結構いますよ。
私の研究ではよく分離しました。
 酵母を初めて見た人はオランダーのレーヴェンフックで1680年ことだったそうです。
顕微鏡を作った人で知られていますね。
名前はサッカロミセス・セレビジェです。
日本では明治28年(1895) 矢部規矩治(やべきくじ)博士により分離され、
サッカロミセス・サケと名付けられました。
清酒作りで古くから知られる方法に“山廃作り“がありますが、
この方法は殺菌方法の無かった昔雑菌防止法としては素晴らしい方法です。
仕込み後10℃いかにしておくと硝酸還元菌が生成する亜硝酸で雑菌を抑え、
徐々に温度を上げ乳酸菌が増殖し乳酸が増えます。
この酸で硝酸還元菌が死滅します。
このあと乳酸耐性のある清酒酵母が増えます。
このあと乳酸とアルコールにより乳酸菌が死滅し、
清酒酵母が優先して働きアルコール発酵が活発化し清酒となります。
ただ途中で火落菌(乳酸菌の一種)が発生しないようにする必要があります。
香りは、バラ臭、カプロン酸エチル、酢酸イソアミル等の果実臭がします。
日本酒度は糖度でみます、甘いと-、辛いと+となります。
お酒は「適度な量は健康によい」ようですが、
過度の飲料は「健康に悪い」様ですから適量を楽しみながら味わってほしいものです。

著者紹介

  惣田昱夫

1945年生まれ、1969年静岡大学農学部卒、1970年から2003年まで神奈川県庁(肥飼料検査所、衛生研究所、環境科学センター)勤務、2004年から2010年まで静岡理工科大学物質生命科学科(教授)勤務、2011年から(株)ぴゅあ、技術顧問、2012年(11月)からNPO法人 未来アース理事長、専門 環境微生物、環境(廃棄物等)工学、エネルギー微生物、農学博士

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湘南の豚『湘南ぴゅあポーク』は「中ヨークシャー」という神奈川の在来種の豚です。

NonGMO飼料で育て、生産から販売までを一貫生産しています。

詳しくは「自然との共生 湘南ぴゅあ」ホームページはこちら>> http://pureham.com/

乳酸菌ハム開発物語 その5 <無添加でも美味しくなければ始まらない 2>

5 9月

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5.<無添加でも美味しくなければ始まらない 2>

その後「亜硝酸入れて通常通り造ってもなかなか美味しくならないんで、ヤクルト試しに入れたら美味しくなるんですね。乳酸菌のような有用な微生物がハムの美味しさに影響を与えていると思います。」ということを聞いて「有用微生物の乳酸菌」というものがハム造りの決め手で何か邪道の無添加ハムでもこれを上手く使ったら美味しいものが出来るのではないか、河原先生を何とか引っ張り込んで、無添加の研究をしてもらえれば美味しくてみんなに喜んでもらえる「無添加ハム」がつくれる。「これでしょ!!」ということだったのですが、「ハテさてどうしたら河原先生が無添加ハムになびいてくれるのか・・・?」これが問題でした。

前回の話「乳酸菌ハム開発物語 その4」はこちらです。

 

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NonGMO飼料で育て、生産から販売までを一貫生産しています。

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