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「私たちは何を食べたらよいか」7

2 12月

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※デザイン;食品生産力研究所

「私たちは何を食べたらよいか」7

日本の食糧自給率は先進国の中で最も低いといわれます。それでは今晩のすき焼きを輸入牛をやめ奮発して国産牛にしたら日本の自給率向上に貢献できるでしょうか。答えはNOです。よく言われる自給率はオリジナルカロリーベースと言って国産牛でも飼料が輸入であれば国産とはみなされません。また、野菜はカボチャなどを除いてカロリーが低くこの自給率には大きな影響を与えません。

主食として日本の気候に合ったお米の消費が減って、本来寒冷地に適したパンやパスタの原料小麦が増えたことと、肉食が増えて飼料穀類の輸入が増えたことが自給率低下の原因です。食生活を昔に戻すことはできないし自給率向上が究極の目標でもありませんが、日本の農畜水産業と日本人の食生活をマッチングさせていく必要はあると思うのです。

執筆者紹介:

河原芳和

神奈川県立保健福祉大学非常勤講師

ぴゅあハムの設立当時から関わり有り、乳酸菌を使った無塩漬ハムの研究開発を20年以上共同で行ってきた。
乳酸菌ハム研究開発における重要メンバー。

「私たちは何を食べたらよいか」6

11 10月

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「私たちは何を食べたらよいか」6

比較的質素ながら主食、主菜、副菜がはっきりし、戦後の食糧不足を克服しほどよく洋風化して乳や肉も食べるようになった1960年代の日本人の食生活は理想に近いと言われます。
しかし、当時は生まれていなかった人が大部分となり、農畜水産業の衰退が心配され、経済もグローバル化した現在では当時と食をめぐる環境が異なっています。
私は、食生活を昔に戻すというよりも、現状から出発して2つの面からこれから「私たちは何を食べるべきか」を考えたいと思います。

1つは日本の風土の中で生産される食糧を供給する農畜水産、流通、外食などのフードシステムを元気にして、価格競争だけでなく美味しさや健康貢献を競う品質競争を盛んにすることです。

2つめは子供たちや若者に豊かな食体験をさせ食物を選ぶ能力を高める「食育」を学校や家庭で進め、日本の風土に見合う食文化を伝承することです。

 

執筆者紹介:

河原芳和

神奈川県立保健福祉大学非常勤講師

ぴゅあハムの設立当時から関わり有り、乳酸菌を使った無塩漬ハムの研究開発を20年以上共同で行ってきた。
乳酸菌ハム研究開発における重要メンバー。

「私たちは何を食べたらよいか」5

21 7月

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「私たちは何を食べたらよいか」5

前回は日本人の脂肪摂取量が欧米より少ないと言いましたが、脂肪の量だけではなく質もよいと考えられています。欧米人は乳や肉などに含まれる飽和脂肪酸に偏っていますが、日本人は肉などの脂肪に加え、豆、穀類に含まれる不飽和脂肪酸、同じ不飽和脂肪酸でも魚などに含まれるn-3系不飽和脂肪酸もバランスよく摂取しています。

日本人が伝統的に食べてきた野菜、芋、豆、きのこ、海藻にはカロテノイド、ポリフェノールなど抗酸化成分や食物繊維が含まれ、これらの成分は癌や血管障害の原因となる活性酸素を消去する働きがあることがわかってきました。
季節ごと、地域ごとの食材を煮る、蒸す、焼く、和えるなど多様な調理法によっておいしく食べることができる食生活の体系が私たちの財産なのです。

 

執筆者紹介:

河原芳和

神奈川県立保健福祉大学非常勤講師

ぴゅあハムの設立当時から関わり有り、乳酸菌を使った無塩漬ハムの研究開発を20年以上共同で行ってきた。
乳酸菌ハム研究開発における重要メンバー。

「私たちは何を食べたらよいか」4

11 7月

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「私たちは何を食べたらよいか」4

それでは寒冷な欧米諸国と日本の食事はどこが違うのでしょう。
日本人はお米と雑穀を中心とする食事を長く続けてきました。そのため現在でも炭水化物をしっかり摂る人が多く、脂肪の摂取量が平均値としては先進欧米諸国よりは低くなっています。
欧米諸国の心疾患による死亡率が人口10万につき200から400人であるのに対し日本人が120人と低いのは、食事の脂肪摂取が少ないことが原因のひとつと言われています。つまり欧米では死亡原因の1位であることが多い心疾患が、日本では少ないことが長寿の原因と言ってよいと思います。

しかし、摂取エネルギーに占める脂肪のエネルギー比が26.1%、これは理想からみると高すぎ、若い人たちは日本の伝統的食生活からかけ離れた人も多いのでいつまでこれが続くかは保障できません。

執筆者紹介:

河原芳和

神奈川県立保健福祉大学非常勤講師

ぴゅあハムの設立当時から関わり有り、乳酸菌を使った無塩漬ハムの研究開発を20年以上共同で行ってきた。
乳酸菌ハム研究開発における重要メンバー。